（株）臨川書店

プロフィール

当社は1932(昭和７)年10月に現在地、京都で創業し、今日すでに80年を経過します。臨川書店（りんせんしょてん）という読みは最近でこそ少なくなりましたが、「りんかわしょてん」とか「のぞみかわしょてん」などとよく呼ばれました。この店名は中国の郭沫若(かくまつじゃく)先生（Kuo-Mo-Jo）<1892-1978>の命名によります。郭先生は学者として、また人民共和国の要人として知名度の高い方ですが、1927年蒋介石のクーデターにあい、日本に亡命、凡そ6年間滞在し、この間当社の創業者（故人）と縁があって店名の名付け親となられたものです。命名の由来は当社の立地が加茂川のすぐそばあること、つまり川に臨んでいることと、郭先生の尊敬する人物が北宋の大政治家王安石(おうあんせき)で、江西省臨川の人であったこと、そして郭先生の郷里の川の名も臨川であったことから、これらをかけあわされたものです。

創業から昭和19年頃まで中国の古典籍(唐本)や中国語学書の輸入を主力とし、国内の学術機関や研究者に月刊の販売カタログによって大きな成果をもたらしました。日本の敗戦によって輸入が跡絶え、戦後は日本の学術古書の売買に転向、昭和26年には欧米の出版社から洋書の直輸入を行うと共に株式会社に改組、東京支店を設けて広く研究機関への学術書販売の普及に全力を投下しました。

追って1963(昭和38)年には「出版部」を設け、人文科学、社会科学系の学術資料、専門書を数多く出版、2006(平成18)年現在、既刊点数は50種の学術誌と文芸誌（バックナンバーを復刻）、および双書・全集・記録・報告書類100点（約2000冊）、単行本では和・洋書併せて凡そ1000点(2200冊)の書目を、またマイクロ版7種(860リール)や、最近では2種の大型企画DVD-ROM版など、電子出版も積極的に行っています。これらが広く海外の研究機関にも普及し、いささかでも学界に貢献できたことを大きな誇りとするものであります。

また「日本書古書部門」では特に古写経や古写本をはじめ、寺院版や古活字版、私家版、絵巻物、版本などの古典籍と、明治期の刊本、文豪の自筆草稿類等々から一般学術研究書まで、広く取り扱い、これら和・洋書の販売カタログは新入荷書を中心に年間随時発行しています。

一方、「洋書部門」では1970年前後に新刊書から当社の特色を生かした「古書」の充実に逐次転換し、現在ほぼ95％が海外からの仕入となっています。ただ、近年のマスメディアによる大量情報時代から更に今日のインターネットによるグローバル化が進展し、研究者個々が瞬時に、より詳細な情報が得られる時代となって洋書の購買形態が大きく変化しつつあります。科学技術の日進月歩が我々古来の文字文化の伝播とどう融合することになるのか、一面不安定な業態と見ることもできます。

しかし、私共臨川書店は和・洋の古典籍から電子出版に至る異色の総合書店、出版社として、たくさんのお客様から大きなご支援を頂き、それに応える努力を一日たりとも疎かにしない信念をもって全従業員が業務に邁進しています。

お薦め商品

ターナー：チベット使節記　（初版）　【SOLD】

リケッツ、シャノン画／ワイルド：柘榴の家　【SOLD】

ニコラ・グロリエ・ド・セルヴィエール氏の珍しい模型を収めた書斎案内　【SOLD】

デュラック画：妖精の花冠 ― フランスの昔話―

ベルジュロン他：12-15世紀アジア旅行記集成　付サラセン・韃靼史　（初版）

ボダールト：自然観察者─ 博物学最新論文集─　（初版）

バルビエ、ルパプ画／ルイス： アフロディテ（限定版）　全2冊

ビアズリー画／マロリー：アーサー王の死（限定版）　全12冊

店舗マップ